お寺の業務や帳簿の整備に悩んでいる住職さんへ。
身内のお寺で、税理士として決算報告をする機会がありました。
急な代替わりを経て、帳簿は手書きや紙の控えが中心。
管理のルールも前任者頼みで、データの整備どころか、どこに何があるのかも分からない状態でした。
「とにかく今年の決算をなんとかしてほしい」と頼まれたところから、プロジェクトは始まりました。
アナログからの脱却。まずは見える化から
最初に行ったのは、現在の帳簿や資料を整理し、できる範囲で数字を“見える化”すること。
クラウド型の会計ツールを導入し、必要なデータを一つひとつ確認しながら入力。
時間はかかりましたが、ようやく「数字として語れる状態」まで持っていくことができました。
住職の背中を見ながら、5年かけて少しずつ
今の住職も、代替わりしてからの5年間はまさに試行錯誤の連続だったそうです。
法務、法要の段取り、寄付の管理、地域との関係…。
その中で会計や業務の整備にまで手が回らなかったのは当然のこと。
でも今、「ようやく少し落ち着いてきた」と住職の口から聞けたとき、今このタイミングだからこそ、次の一歩を踏み出せるのではないかと感じました。
未来に繋ぐために、古いデータベースからクラウドへ
以前から、お寺の業務を支えていた“ある管理ソフト”が存在していました。
開発した方は、すでに亡くなっていました。
愛情を込めて作ってくれた仕組みでしたが、今ではエラーが出ても修正できず、誰も触れない「ブラックボックス」と化しています。
このままでは、次の代の住職が本当に困ってしまう。
だから今、業務の管理・記録も少しずつクラウドに移行していこうと考えています。
お寺の毎日を、本当に大切な時間にするために
お寺の仕事は、法務だけではありません。帳簿、管理台帳、法要の段取り、寄付や備品の管理、地域との調整…。
すべてが住職おひとりにかかっている状況を少しでも楽にしたい。
そして、次の世代に「引き継ぎやすい形」で渡していくために。
このプロジェクトは、まだ始まったばかり。
でも、きっと多くの寺院でも同じような課題を抱えているのではないかと感じています。
私自身も、学びながら進めていきます。何かの参考になれば幸いです。
同じようなお悩みを抱えていませんか?
今後は、帳簿の整備や業務の引き継ぎなどにお悩みのお寺さま向けに、事例のご紹介や、無理のない改善のご提案を少しずつ発信していく予定です。
「うちも似たような状況かも…」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。