Claude Codeを使って仕事を任せ始めてしばらくして、同じことを何度も伝えている自分に気づきました。
前に伝えたはずのことが、きちんと記録されていない。次にお願いしたときには、また最初から説明している。このとき、「このままでは仕事を任せられない」と感じました。
そこから、自分の仕事を言葉にして残していく作業が始まりました。
同じことを何度も伝えていた
伝えた内容がどこにも残っていなければ、次の回には使われません。結果として、同じ説明を繰り返すことになります。
そのため、伝えたことを残す形に変えていきました。業務ごとのルール、顧問先ごとの固有ルール、手順を書いたファイルなどに残しておき、必要なときに参照させる形です。
伝え方を工夫するより先に、伝えたことを置いておく場所が必要でした。
「月次をチェックして」だけでは伝わらなかった
一番はっきり分かったのは、月次チェックの業務を作ったときです。
十分な前提を与えないままチェックさせたところ、上がってくる指摘の量が異常に多くなりました。1つの仕訳について、実質的には同じ内容なのに、別々の指摘として何度も上がってくることもありました。
AIに「月次をチェックして」と伝えるだけでは、
- 自分が普段、どんな前提で見ているのか
- 何を問題として扱うのか
- 何を問題として扱わないのか
までは伝わっていなかったのです。
振り返ると、これらは自分の頭の中では当たり前すぎて、言葉にしたことがありませんでした。AIに仕事を任せようとして初めて、頭の中だけで処理していた判断基準がこれほど多かったことに気づきました。
業務は「仕事のくくり」で渡す
AIに渡すときは、基本的に「仕事のくくり」で考えています。
私の場合は、月次チェック、月次報告書の作成、給与データ転記用CSVの作成など、普段ひとつの仕事として扱っている単位で区切っています。
書き出したのは、手順だけではなかった
仕事のくくりごとに書き出したのは、
- 手順
- 判断基準
- 例外
- 確認する資料
です。
ただ、「こう処理する」とだけ書いても足りませんでした。実際に書き足していったのは、たとえば次のような内容です。
- 「原則はこうだが、この業務では例外が慣習になっている」
- 「こういう理由があるので、私はこの処理をしている」
- 「後から行う処理まで考えると、先にこうしておいた方がいい」
処理のやり方だけでなく、なぜそうしているのかまで残す。そこまで書いておくことで、後からルールを見直すときにも、なぜその処理にしたのかを確認できます。
任せる範囲と、人が判断する範囲はセットで決める
一方で、AIに任せないと決めているところもあります。
税理士業で使う場合、税務判断そのものはAIに任せていません。メールも自動送信させていません。AIが処理したものをそのまま外へ出すのではなく、途中に人のチェックを入れています。
目指しているのは、完全自動化ではありません。AIに任せる範囲と、人が判断する範囲を分けることです。
業務を定義するというのは、手順を書き出すことだけではないと感じています。どこまでをAIに任せるかを決めることと、どこからを人が判断するかを決めることは、セットです。片方だけ決めても、線は引けません。
最初の一歩は、自分の業務の棚卸し
これからAIを使ってみようという場合、最初にやることは、自分の業務の棚卸しだと思います。
いきなり大きな業務を全部AIに渡すのではなく、小さいところから始める。そのうえで、業務の指示や判断基準をどこに蓄積していくのかも、先にルールを決めておいた方がいいと考えています。そうしないと、以前の自分のように、同じことを何度も伝えることになります。
AIツールを選ぶことより先に、「自分は普段この仕事をどうやっているのか」を書き出す。そこから始めるイメージです。
まとめ
- 伝えたことは、残して参照させる場所を先に決める
- 業務は「仕事のくくり」で渡す
- 書き出すのは手順だけでなく、判断基準・例外・確認する資料、そして処理の理由
- AIに任せる範囲と、人が判断する範囲はセットで決める
- 最初の一歩は、ツール選びより業務の棚卸し
AIに仕事を任せようとすると、自分がどれだけのことを頭の中だけで判断していたかが見えてきます。業務を定義するのは、AIのためでもあり、自分の仕事を見直すことでもあると感じています。
AIを入れたいけれど、どの業務から手をつければいいか分からない。
そんな段階からでも、業務の棚卸しや、AIに任せる範囲の整理をご相談いただけます。


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